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コロナで外国人労働者が解雇。技能実習制度の宿命か?

 28日、 日曜日の朝、テレビニュースを見ていたら、外国人技能実習生がコロナによる業績の悪化で会社を解雇され、寮も追い出され、職もなく知人の家を渡り歩いているというニュースが放送されていた。こういう外国人実習生の相談に乗っている組合の人の意見も流れていた。「人が足りない。日本に来てくださいとお願いしておきながら、景気が悪くなるとすぐに解雇される。使い捨ての部品のように扱うのではなく、日本人同様の扱いをしてほしい」。もっともな意見だ。
 一方、コロナで経営が厳しくなった農業法人は、これまで一緒に汗をかいてきた仲間を、簡単に切ることはできないといって、ベトナム人技能実習生を雇い続けていた。この研修生は会社(農業法人)に感謝の言葉を言っていた。
 この問題は難しいと思う。心情的には、技能実習生の相談に乗っている組合関係者の意見に賛同するが、企業は倒産の危機に直面している。技能実習生を雇い続けて、人件費の負担に耐え切れず倒産すれば、日本人社員の職もなくなる。こうなっては元も子もない。企業側からすれば、日本人の雇用を優先するのは当然と言える。いずれ、日本人の職員を解雇せざるを得ない局面も出てくるかもしれない。それが経営の現実と考えるのが自然ではないか。
 外国人技能実習制度は、元来が日本での人手不足を補完するために、外国から単純労働者を受け入れ可能とするために設けられた制度で、景気によりこれら労働者の需要が左右されることは既定路線といえる。ただ、日本の人手不足は景気の影響よりも、少子化という社会問題の構造的問題だ。これが解消されない限り、人手不足は景気に関係なく恒常的に起こる。しかし、技能実習生を日本人同様の待遇にしたとしても、景気により会社の経営が厳しくなると、人員削減をしなければならない局面は出てくる。その時に、外国人技能実習生よりも日本人職員を先に解雇することに社員、労働組合の理解は得られるか。結局は日本人を優先するか、外国人を優先するかの選択になる。それはこの制度の宿命と言える。海外における外国人労働者も同様の問題に直面しているはずだ。日本だけの問題ではない。
 どちらを優先させるかは、日本人と外国人との対比ではなく、「仕事ができるか、できないか」という対比で考えれば外国人技能実習制度の宿命のひとつは解決するかもしれない。
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テーマ : 私の見解 - ジャンル : 政治・経済