不安な対中外交
中国漁船による尖閣諸島領海侵犯事件で、13日に船長を除く船員を釈放したことについて、仙石官房長官は「中国側も理解してくれるだろうと判断していた。政治行政と司法の関係が近代化されて、中国は随分変わっているという認識を持っていたが、あまりお変わりになっていない」と述べ、自分の判断の甘さを認めた。自分の未熟さを認めたことは評価するが、この程度の認識で政治ができるのかと不安になった。いま中国は経済成長目覚ましく、GDPでは日本を抜いて世界第二位、いずれ米国をも抜いて世界第一位になるとの観測もあるが、政治体制は共産主義、一党独裁体制なのである。共産主義には「妥協」という言葉はない。妥協とは敗北を意味する。原理原則に固執する原理主義といってもいい。ワシら政治を勉強していない者でもこれくらいのことは常識として知っている。しかし、東大を出て、在学中に司法試験に合格するほどの秀才にはそれが判らなかったらしい。本人も学生時代は社会主義に傾倒して中国にあこがれを持っていたようだが、この世代の左巻きの連中は、どこか中国に対してユートピアを抱き、自分たちがそうであったように、中国も時代とともに思想を適応させていると思っているフシがある。今の中国経済を見ると資本主義経済を謳歌しているように見えるが、内実は共産主義で凝り固まっていることが改めて明らかになった。今回の事件では、仙谷だけではなく多くの国民も、中国の本質がわかったのではないか。そういう意味で、今回の事件は良かったのかもしれない。今日29日には細野幹事長代理が極秘に訪中し、中国要人と会っている。また、中国の報道官は、事件は収束に向かっていると発言した。細野が菅の親書をもっていっただろうが、菅はどのような決着を図ろうとしているのか。この事件の発生後、日本からハイレベル協議や話合いを呼び掛けているが、日本に非がり、中国に謝るから会って下さいと懇願しているように見える。駐中国大使は夜中の1時に呼び出され、スゴスゴと出向く。日本は駐日中国大使に話会いのお願いをする。どっちが原因者なのか、悪いのかわからない。そして、今度は細野がわざわざ中国に出向き、解決の要請をする。事件が解決するのはいいが、解決させるために、中国にどのような条件をだしたのかが気になる。まさか4人の邦人を解放するのに何百億もの身代金を支払うとか、無償技術援助を約束するとか、ましてや尖閣諸島の領有問題は未解決問題として不問にする、とかを約束してはいないだろうな。菅政権、いや自民党政権でも同じだが、このような杞憂を国民にさせる政府が、正常な国家といえるだろうか。
これでいいのか、日本! しっかりしろ、日本人!
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